アニメのシナリオ会議には「新作お菓子」が欠かせない!

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意外なお菓子は「面白いコト」の記憶を引き出す

   このように、お菓子や差し入れは、会議の流れをよい方向に変えることがあります。会議の途中で意外性のある食べ物が出ると、それが枕となって話題が広がり、シナリオの構成や内容が広がるという効果があるのです。

   「面白いお菓子」は、会議メンバーの雑談を刺激して「面白いコト」に関する記憶を連鎖的に引き出すきっかけになります。認知心理学では、

「芋づる式に想起された記憶は、いいアイデアを生む」

という研究もあります。

   誰にでも経験があると思いますが、アイデアというものは、まったく関係のない別のものがきっかけとなってやってくることがあります。「そういえばあれって…」と何げなく思いつくときには、むしろ飛躍していることが多く、この飛躍が思いがけない新アイデアを生むきっかけになります。

   心理学的に言うと、「メタ認知」によってある事象の抽象化が行われ、それがトリガーとなって一見まったく関係のない事象を結びつけます。このような「アナロジー思考」が活発になった結果、それまでは思いつかなかった問題解決の糸口が見えてくることがあるわけです。

   つまり「目新しいお菓子」や「意外なお菓子」は、メンバー同士の雑談を活発で豊かなものにし、普通に考えていたら浮かばなかった面白いアイデアをポンポン生むこともある、ということです。

   ということで、創造的な会議の準備には「お菓子選び」もだいじな仕事。教育費や会議室の設備におカネをかけるだけでなく、数百円の面白いお菓子を持ち寄ってみるのも、新しいアイデアの起爆剤として効果があるかもしれませんよ。(数井浩子)

数井浩子(かずい・ひろこ)
アニメーター、演出家。『忍たま乱太郎』『ポケットモンスター』『らんま1/2』『ケロロ軍曹』をはじめ200作品以上のアニメの作画・演出・脚本などに携わる。『ふしぎ星の☆ふたご姫』ではキャラクターデザインを担当した。仕事のかたわら、東京大学大学院教育学研究科博士後期課程に在籍。専門は認知心理学
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