臨床心理士・尾崎健一の視点
採用基準の基本部分がOKなら採用しても
既存社員で資格のない人でも、仕事はできているのですよね。採用基準の基本部分がOKであれば、実際に働いてもらうのも手ではないでしょうか。宅建のように実務に密接に関わっている資格は、働きながらの方が取得しやすいという人もいます。特に今回の場合、基礎学力はきちんとついているようですので、今回はダメでも次回以降に合格する確率は比較的高いと思われます。
資格を優先しすぎるあまり、協調性がなかったり、まるで仕事ができない人を採用してしまう例はたくさんあります。実務経験や人物像は要求の基準をクリアしているようですので、資格要件よりもそちらに力点を置く判断をすることも考えられます。ただし、同時期に入社した人が「あの人は条件を満たしていないのに、なぜ採用されたのか」とならないように、条件面のバランスには注意したいものです。例えば、入社後に資格手当などで差をつけると、資格取得のインセンティブになります。
(本コラムについて)
臨床心理士の尾崎健一と、社会保険労務士の野崎大輔が、企業の人事部門の方々からよく受ける相談内容について、専門的見地を踏まえて回答を検討します。なお、毎回の相談事例は、特定の相談そのままの内容ではありませんので、ご了承ください。