ギネスへの挑戦はファンを「共犯者」に変える
このキャンペーンに参加することによって、投稿者に何か特典があるわけではない。二宮クンに向けて「記録達成おめでとう!」とツイートできるくらいだろうか。それでも記録挑戦に参加したファンには、商品への親近感が強まったに違いない。
おじさんたちには知られていないかもしれないが、若い女性の間では確実に口コミが広がっている。ファンの心理をうまくつかんだキャンペーンといえそうだ。
また、キャンペーンがギネスブックに登録されたとき、「これ、私も参加したんだよ」と自慢したいという気持ちが働いた可能性もある。それだけ「ギネスに挑戦!」という言葉にパワーがあるということだ。
世界記録への挑戦を掲げた企業キャンペーンは、今年に入ってからもいくつか行われている。第一三共ヘルスケアが公開したワード数6万4000語以上、マス数16万以上のクロスワードパズル「KAROYAN(カロヤン)」は、8月29日に世界記録としてギネス登録された。
キリン「のどごし<生>」が9月25日に幕張メッセで実施した「みんなでたこ焼き大パーティ」は、「同じ場所で同じ料理をする人数」2311人の新記録を樹立した。
「ギネス」を掲げたキャンペーンには、記録の「挑戦」と「達成」の2回のパブリシティが実施できるという企業側のメリットもある。今後も、ギネス登録が見込める新しい切り口の模索が続きそうだ。(岡 徳之)