仕事選びで重要なのは「好き嫌いより適性」――村上アシシの「ガチノマド」5箇条(4)

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   今回も読者から寄せられた働き方に関する相談にお答えします。

Q:アシシさんはサッカーが大好きで、生活のすべてをサッカー観戦中心に進めているじゃないですか。そんなに好きなら、何でサッカーに関することを仕事にしないんですか? 僕もサッカーが好きで、できればサッカーに関わる仕事で食べていきたいけど、アシシさんが「仕事と趣味は切り分ける」みたいな生き方してるのを見ると、何でかなと思うんですよね。やっぱり仕事って、好きなことじゃないと続けていけないと思いますし。(ゴールデン英司・32歳・出版社営業)

労働対価をいただくには「相手本位の考え方」が必要

対イラン戦を前に、開催国UAE(アラブ首長国連邦)のサポーターと記念撮影
対イラン戦を前に、開催国UAE(アラブ首長国連邦)のサポーターと記念撮影

   そもそも、仕事選びにおいて最も重要なのは、その仕事が好きかどうかではなく、自分に「適性」があるかどうかではないでしょうか?

   好きなことでお金を稼ぐことができれば幸せなのかもしれないけど、人生そんなに簡単ではないと思います。「労働の対価としてお金をもらう」という行為は本当にシビア。独立してから、特にそう思います。

   仕事では「自分の性格・能力に適合した職種」を選択し、その領域における専門性をひたすら伸ばしていくことが重要だと考えています。

   何もズバ抜けて優秀になれというわけではなく、他者と差別化されたスキルを身につけること。そうすれば、ノマドとして食いっぱぐれずに生きていけることは、この連載コラムの第2回で述べたとおりです。

   その仕事が好きかどうかというのは、自分本位の考え方であり、その仕事に適性があるかどうかは、価値を提供する先である「相手本位の考え方」だと僕は認識しています。

   ゴールデン英司さんは「好きなことでないと仕事は続かない」とおっしゃっていますが、好き嫌いの感情なんて一生変わらない保証はどこにもありません。それよりも遺伝や環境などによって培われ、自分が好きか嫌いかとは関係なく、なぜか他人と違ってしまう自分の性格の方があてになるのではないでしょうか。

   サッカー観戦旅と比べたらコンサル業なんて苦行以外の何物でもないですが、それでも僕は、神経質とも呼べるマメな性格を武器にして、最後にクライアントから言われる感謝の言葉を糧にコンサル業を12年間継続してやってきています。

   それに加え、趣味でお金を稼ごうとすると、様々な弊害も出てきます。

サッカー日本代表が出場する国際大会に毎年参加するコアサポーター(写真左)。本名、村上敦伺(あつし)。1977年生まれ、札幌市出身。職業はフリーランスの経営コンサルタント。元同僚の四方健太郎(写真右)とともにサッカー南アW杯出場32か国を2年間かけて訪問し、『世界一蹴の旅』(双葉社刊)を上梓。「半年仕事・半年旅人」のライフスタイルを2006年から継続中。ツイッター @4JPN
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