日本のプロ野球は、とっとと米メジャーの下部リーグになればいい

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やがてWBCがワールドカップになる

   恐らく、日本の球界関係者が心配しているのは、日本のプロ野球自体がMLBの下部リーグ的存在となってしまうことではないか。だとすれば、残念ながらそれはもう避けられない。より市場が大きく、報酬の高い側に優秀な人材が集まるのは当然だからだ。

   ただし、主力選手をメジャーに輩出しているわけだから、国全体としての野球地力が高まっていることは間違いない。リーグではなく、国家代表という視点で野球を眺めればいいのだ。

   サッカーのW杯があれだけ盛り上がるのは、世界中のリーグで活躍する自国の選手が国の看板を背負ってドリームチームを結成して戦うことにあり、それは同時に、現在のWBCに完全に欠けている視点でもある。残念ながら現在のWBCは「相手チームがよくわからない片側オールスターゲーム」の域を出てはいない。

   ちなみに筆者は、プロ野球をもう15年以上見ていないし、これから見る予定もない。ただ、選手があちこちグローバルに動き回ってその活躍ぶりが報じられ、定期的に世界中で活躍する日本人選手が集まって代表チームが結成されるのなら、きっとその代表選は見たいと思うだろう。

   そこで夢中になれば、再びプロ野球をみることもあるかもしれない。きっと同じように考えている人間は少なくないのではないか。

「海外に出たら、戻る場所はないぞ」

と若者を脅迫するよりも、海外からも評価されるようになった日本の野球力を素直に喜ぼうではないか。それでも「グローバルに活躍できるだけの人材でありつつ、組織に従順な若者」を求め続けるというのなら、そんな人材が本当に実在するのかどうか、球団の親会社に聞いてみるといい。(城繁幸)

人事コンサルティング「Joe's Labo」代表。1973年生まれ。東京大学法学部卒業後、富士通入社。2004年独立。人事制度、採用等の各種雇用問題において、「若者の視点」を取り入れたユニークな意見を各種経済誌やメディアで発信し続けている。06年に出版した『若者はなぜ3年で辞めるのか?』は2、30代ビジネスパーソンの強い支持を受け、40万部を超えるベストセラーに。08年発売の続編『3年で辞めた若者はどこへ行ったのか-アウトサイダーの時代』も15万部を越えるヒット。ブログ:Joe's Labo
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