恵まれた環境に感謝しながら働く若者たち
また、将来のキャリアパスについて前例がないので、自分が今後どのように仕事を続けていくのかを自分で考えていかなくてはなりません。駐在員との給与格差も気になってきます。誰もが自動車会社の女性のように高給が取れるわけではありません。
今は十分生活できているけど、将来はどうなんだろう―――。こういった迷いは日本で働いていてもあるものですが、過去の実例や周りの同じ境遇の人が極端に少ない現地採用は、孤独に自分で考えなければならないので辛いのです。
しかし、彼らと話してみて安心するのが、総じてポジティブであること。そして、今の環境に対し、謙虚に感謝をしていることです。
慣れない環境の中、失敗を繰り返しながらも少しずつ成功体験を積んでいく姿や、恵まれた環境で働けることに対し、雇い主である企業やインドネシアの社会に対して感謝している姿はすがすがしい気分にさせてくれます。
会う度に逞しくなっている彼らを見ると、「自分もやらなきゃ」というポジティブな衝動を与えてくれます。そして、こうやって若い日本人が異国の地で成功体験を積んで逞しくなっているところをみると、「日本の未来も捨てたもんじゃないぞ」と思えるわけです。(森山たつを)