2012年から3年にわたり、「団塊の世代」(1947~49年)が65歳を迎える。団塊世代の60歳大量退職に伴う「2007年問題」は、定年の引き上げや再雇用などで先送りされてきたが、いよいよ表面化するおそれもある。
ある会社では、定年退職したOBが毎日のように会社に顔を出すようになった。現役時代は信頼され慕われた人だったが、話し相手となっている若手社員は「仕事に支障が出てきて困る」と人事に悩みを打ち明けている。
上司は「また来てくださいね」と言うけれど
――製造業の人事担当です。先日、品質保証部の若手A君が相談に来ました。この春に定年退職したBさんのことで相談があるのだそうです。
Bさんは仕事熱心で、後輩や取引先からの信頼が厚い人でした。嘱託として残る道もありましたが、「少しのんびりしたい」ということで惜しまれて退職しました。
ところが夏あたりからBさんが、たびたび会社にオフィスに顔を出すようになりました。最初は「ちょっと近くに来たから」「暑いから差し入れを」という用件でしたが、次第に頻度が多くなり、いまでは週に2、3日は執務室に来ているようです。
A君の上司は若いころにBさんの下で働いたことがあるので、彼の顔を見るたび歓待し、帰りには「また来てくださいね」と送り出しています。
A君も昔話や雑談に付き合っていましたが、そのうち仕事に支障が出るようになり、最初は新鮮だったBさんのアドバイスなども煩わしくなってきました。
「責任のない立場で言いたいことだけ言って、気楽でいいですよね。でも現実には、そんなに色々できないですから。上司でもないのに仕事に口出しされても困るんですよ」
とはいえ、Bさんや上司に気兼ねして、「もう来ないでください!」と正面から切り出すことができません。そこで人事に相談というかグチを言いにきたわけですが、こういうとき、どんな対応をしたらいいものでしょうか――