ウソの110番を繰り返したとして、大阪の38歳男性が逮捕された。その数、1か月で約3000回。携帯電話3台を使い、多いときには2日で1500回以上もかけていた。
男性は「緊急です、緊急です」と言って電話を切ったり、電話口で歌を口ずさんだりした。調べに対し「全て正答な理由だった」と容疑を否認しているという。
容疑は業務妨害、要するに「仕事のジャマ」である。このニュースには、ネット上に「大阪府警は辛抱強いね」「数十回で逮捕していいじゃん」という声があがっている。いたずら電話で本当の緊急事態への対応が遅れれば、人命にかかわる影響もありうる。
応答がなくても位置確認をして現場に急行
男性は無職と報じられたが、それだけ電話をかける粘り強さがあれば「コールセンターで働かせればいいのに」と突っ込む人もいた。
うその通報の被害は、これまでにも数多く報じられている。2010年には、うその110番や119番をかけた容疑で男子高校生8人が書類送検された。彼らはこのいたずらを「ハイパーゲーム」と呼び、
「パトカーから逃げてスリルを味わうのを楽しんでいた」
という。2011年にも「駐車場で自慰をしている男性がいる」とウソをついた女子高生ら3人が検挙され、今年1月には警察に対する腹いせから「刃物を持った男に追われている」とウソの110番をかけた男性が、防犯ビデオから割り出されて逮捕されている。
報道されたもの以外にも、110番にはさまざまな電話がかかってくる。元・警察署副署長の橘哲雄氏による『ふしぎな110番』(彩図社)によると、警察本部の通信指令課には奇妙な通報電話が絶えないという。
「ずっと待っていても信号機が青になりません」(真夜中の男性ドライバー)
「主人が書類を家に忘れました。緊急で会社に届けてください」(慌てた主婦)
「お母さんに騙されてお金を取られた…」(お年玉を返してもらえない少女)
「彼氏が悪いのに謝らないので叱ってください」(若い女性)
「俺だって話し相手がいなくて寂しいんだ」(酔った男性)
なお、一般家庭の無言電話なら「いたずらだろう」と放置することもできるが、110番だとそうはいかない。相手が意識を失っているかもしれないので、通報者の位置確認をして警察官が必ず現場に行くそうだ。――日々の公務、お疲れさまです!