時には「社畜」になることも辞さない――村上アシシの「ガチノマド」5箇条(2)

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   今回も読者から寄せられた働き方に対する相談にお答えします。

Q:アシシさんがノマドできているのは、経営コンサルタントという仕事だからですよね。それも新卒で外資系のコンサル会社に入れたからじゃないですか。他のノマド論者たちだって、みんな高学歴だし。結局、ラッキーな勝ち組だけの話じゃないんですか。そういう特権階級だからできる優雅な生き方を自画自賛し、社畜を批判する論法って、なんか上から目線で正直言って不愉快なんですよね。(ガチ底辺・29歳・ブラック企業勤務)

誰が会社やサラリーマンを否定できるのか

先週は日本代表対ブラジル代表の試合を観にポーランドに行っていました
先週は日本代表対ブラジル代表の試合を観にポーランドに行っていました

   最近の「ノマド論者」の中には「会社はオワコン(終わった)」と言う人もいるようですが、僕はそう考えていませんよ。

   社会に対して現実的に多くの価値を提供しているのは、企業組織ではないですか。世の中のことを熱く考え、同僚たちと力を合わせ、社会のために働いている人たちがいることを、僕はよく知っています。

   そういう人たちを、誰が否定できるというのでしょう。まして僕のような既存社会からドロップアウトしたノマドたちは、彼らがつくり上げた豊かな社会をインフラとすることで、快適に仕事ができているのですから。このような背景を身を持って実感している人ならば、「会社はオワコン」だなんて、口が裂けても言えませんよ。

   会社の中で生き残り、日本経済を支えるために闘っているサラリーマンたちを、僕はリスペクトすべきと考えています。自社やクライアントの発展に貢献し、ときにハードワークも辞さない「社畜」を批判するつもりは毛頭ありません。

   僕のガチノマド的ライフスタイルは、「半年旅人」に焦点が当てられ、自由で楽な生き方だと揶揄されることもありますが、「半年仕事」の期間はそこらのブラック企業よりも過酷な労働環境の場合もあります。

   僕みたいな助っ人でプロジェクトに参画する個人コンサルタントは、裏方の作業がほとんど。深夜まで長引いた会議の後、「村上君、明日の朝までに議事録作成して、関係者に展開しといて」と無茶振りされることも多々あります。

   忙しいプロジェクトであれば、1カ月の残業時間が100時間を超えることもあります。コンサルタントというと小奇麗なパワーポイント資料を作成し、経営層を唸らせるプレゼンをしていると思うかもしれませんが、そういう役割を演じる人はほんの一部です。

サッカー日本代表が出場する国際大会に毎年参加するコアサポーター(写真左)。本名、村上敦伺(あつし)。1977年生まれ、札幌市出身。職業はフリーランスの経営コンサルタント。元同僚の四方健太郎(写真右)とともにサッカー南アW杯出場32か国を2年間かけて訪問し、『世界一蹴の旅』(双葉社刊)を上梓。「半年仕事・半年旅人」のライフスタイルを2006年から継続中。ツイッター @4JPN
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