2012年9月14日のプレジデントオンラインが、通販業界で活躍する元売れっ子キャバクラ嬢を紹介している。押尾友紀子さんがモエリーのドレス通販部門を担当してから、月商は50万円から2000万円に急成長した。
表側のデザインはいいが背中はどうか、体型はカバーできるのかなど、ネット通販ならではの不安解消に努めた。苦労しているのは「顔が見えない」ネットならではのクレーム処理で、その悩みは店頭の比ではないという。
「ちょっとしたミスでも、お客様は鬼の首をとったように怒ります。『100回謝れ』なんて、電話口で怒鳴られたことも」
メールで届いても「電話をかけて返事をする」
カード会社の債権回収のコールセンターでは「ばかやろう!」「今度電話してきたら、ぶっ殺す!」とまで言われるらしいが、女性顧客、それもドレスを購入する水商売のお客さんもかなり手ごわそうだ。
そんな場面に直面したとき、押尾さんは「戦略的に落ち込んだフリをしてみせる」「あえてオーバーに取り乱してみせる」こともある。そして、メールでクレームが届いても、あえて電話で返事をする。
「そこで、大げさにおばさんぽい口調で謝るんです。そうすると、お客様も相手が人間だということを思い出し、冷静になってくださる。こちらも電話のほうが状況を把握しやすいんですよ」
直接叱られることを恐れるあまり、メールで返事をしてしまう人も少なくないだろう。しかし、それによって怒りを増幅させ、問題をこじらせてから電話するよりも、早めに「消火」した方が得策かもしれない。
また、取りすました敬語を使うと、それが機械的に聞こえて逆に怒らせてしまうこともあるという。アンテナショップの店頭に立つときには、「おねえ言葉」「おばさん言葉」「方言」を取り混ぜて接客する。
これに感心した若い男性と思われるネットユーザーからは、こんなツッコミもあった。
「おばさんの放つ『ごめんなさいねえ~』は森羅万象に終止符を打てる」
あらゆる人は、母親から産まれ出ている。気の利いた若い女性スタッフに手際よく対応してもらいたいときもあるが、感情的にこじれてしまったときには「母親=おばさん」と話した方がおさまりやすいのかもしれない。