「会社をクビになる」プロットは誰にも変えられない
どこかが間違っていたのは間違いない。そしてそれは、現在行われているリストラではない(リストラ自体は会社延命のために必須だから)。
恐らくは、入り口の段階でボタンを掛け違えていたのだろう。彼らが就職した時点で、すでに身分として人生を組織に預ける時代は終焉していたのだ。本来であれば、会社ではなくジョブに対して就職し、一定の専門性と流動性を身につけておくべきだった。
だが、国はもちろん、会社も社会も、そして彼ら40代社員たちも誰もそれをしようとはしなかった。ずっとコントで通してきた以上、終わりだけシリアスにする、つまり、
「君、クビだから、これからは自分で何とかしてね」
と宣言されることには、抵抗があるのかもしれない。でも、会社をクビになるというプロット自体は誰にも変えられないのだ。
筆者は別に、若手に転職をしろとは言わない。ただ、今の20、30代の人間は、労働市場に放り出されても生きていけるくらいには一芸を磨いておくべきだと考えている。キャリアの最後でコントを演じずに済むように、自身のキャリアにはシリアスに向き合っておけということだ。(城繁幸)