パソナグループが会社の中で野菜を作っていることは、雑誌などで目にしたことがあった。しかし実際に東京・大手町のオフィスを訪ねてみると、「ここが本当に都会の一等地なの!?」という驚きを隠せなかった。
受付の天井にはカボチャが実り、応接室ではトマトがすくすくと育っている。廊下の壁にはキュウリが実をつけ、スプラウト、カリフラワー、スペアミントが葉を茂らせる。ベランダや外壁にも季節の植物があふれている。その数、200種類以上。収穫物の一部は、社員食堂の食材にもなるという。
食べ放題のビュッフェがワンコインで
社員食堂があるのは、社内の2か所。地下1階はビュッフェスタイルの食堂で、9階の食堂は定食が売りだ。また、それとは別に1階にはカフェがあり、打合せや商談をする社員で常に賑わっている。
地下1階のおよそ100席のスペースは、12時半には女性社員を中心とした社員でいっぱいになった。
メニューは500円で食べ放題。サラダバーに3種類のパン、肉と魚、メインにスープ、ドリンクがつく。少しずつ色々なものを食べたい女性社員はもちろん、お腹の空いた男性社員でも満足できそうだ。
この日のメインは、ハヤシライスだった。サラダバーのサニーレタスは、1階で育てたものをその日のうちに収穫している。ドレッシングをつけなくても甘みを感じた。応接室のトマトが使われることもある。
豊富なメニューを毎日全部食べていると、幸せ太りしてしまいそうだと思った。昼食をデスクで取る人のために、パンのワゴン販売も行っている。
野菜の世話は、館内の植栽管理に特化したアーバンファーム事業部の10人ほどで行っているが、自分たちで水やりをしている部署もあるそうだ。
「社内で野菜を育てることが、社員同士のコミュニケーションを活性化しています。『大きく育ったなあ』『キレイに咲いているよね』といった会話のきっかけになりますし、育っていくのが楽しい、癒されるという社員の声もよく耳にします」(広報室・中村遼さん)