社会保険労務士・野崎大輔の視点
セクハラないのに異動拒否なら懲戒解雇も可能
A子さんの異動は業務上の必要があるので、業務命令には従ってもらいましょう。異動は「①業務上の必要性が存しない場合」「②不当な動機・目的をもってなされたものである場合」「③労働者に対し通常甘受すべき程度を著しく超える不利益を負わせるものである場合」を除き、特段の事情がない限り権利の濫用にはなりません。もしもA子さんの証言が事実であれば、係長の言動はセクハラに当たりますが、A子さんに思い違いがあるのかもしれないので、双方から十分事情を聞く必要があります。
もしセクハラがあれば処分しますが、そこまででもない場合には、係長を異動させることは難しいでしょう。A子さんの個人的な好みを聞き入れればゴネ得になってしまうので、そのまま異動してもらうしかありません。どうしても拒否する場合には、残念ですが会社を辞めてもらうことになります。懲戒解雇も可能ですが、実務的には退職勧奨による自己都合退職にすることが多いです。