1か月のお小遣いは約4万円で、30年前の水準に逆戻り。バブル最盛期・1990年の約半分に縮小してしまった――。新生銀行の調査で、サラリーマンの厳しい懐事情が明らかになっている。
外食回数は1999年の月6回から半減し、週1回未満に。1回の昼食代は1992年の746円から500円前後と、約3分の2に圧縮されている。約20年前から平均月収が上がらない中、お小遣いの金額は景気の動向を敏感に反映しているようだ。
将来的に思わぬ悪影響が生じる「悪い節約」もある
「お小遣い対策のためにしていること」を見ると、1985年には「タクシー乗車(を控える)」が38.6%で1位だったが、2012年には17.8%で7位に下がっている。普段からタクシーに乗らないので、節約のしようがなくなったようだ。
最新の節約術には、4位に「ネットやバーゲンで安価なものを購入」、5位に「水筒を持参(して清涼飲料水などを買わない)」が顔を出している。
2000年以降で1位と2位を占めるのは、「飲み代」と「昼食代」の節約だ。しかし、節約術に詳しいファイナンシャル・プランナーの花輪陽子さんによると、節約術にも「よい節約」と「悪い節約」があり、悪い節約に偏ると将来に悪い影響を及ぼすという。
「デフレの進行もあって、若い人たちは飲み代や昼食代を『単なる消費』と捉えて安く済ませることばかり考えがちですが、その弊害にも気づくべきです」
ジャンクフードばかり食べていると、将来的に健康を害するリスクが高まる。ひとりデスクで食べていると、職場の人間関係から外されてしまい、非公式だが重要な情報が入ってこなくなったり、「抜擢」の対象になりにくくなったりする。
よい節約とは、「投資的なお小遣いの使い方」を削りすぎないこと。週3日は弁当、2日は外食とするなど、メリハリをつけた節約が必要だという。
「同僚たちと歓談しながら食事をしながら、健康や人間関係を育むことは、サラリーマンにとって意外と大事です。たまにはいいお店に行ってみて、良質のサービスを受けてみることも仕事に活かされるでしょう」