「今度電話してきたら、ぶっ殺す!!」
過酷な労働環境でけなげに働く女性会社員の様子を描いたネットコラムが、文藝春秋で書籍化された。タイトルは「督促OL修行日記」、著者は榎本まみさん。J-CAST会社ウォッチの人気連載に大幅加筆したものだ。
文体を「である調」に変更。新エピソードも満載
毎週水曜日の昼休みに1年間にわたって公開された「債権回収OLのトホホな日常」(N本=えぬもと名義)は、多くの読者を獲得した。2012年9月12日の最終回には、読者から異例の「お礼コメント」が数多く寄せられている。
「ショックだ…。このコラム大好きだったのになあ」
「お疲れさまでした。仕事を終えてコーヒーを飲みながら幾つかのニュースサイトを流し読み、中でもこのコラムが一番の楽しみでした」
「N本さんのコラムを読んで、督促される人が少しでも減ることを祈ります」
書籍化にあたり、文体を「ですます調」から「である調」に変更。連載では書ききれなかった緊張感のある場面や、細かい心の動きなどが加筆されている。
新しく加わったエピソードも多い。「お客さまタイプ別攻略法」では、感情と論理の組み合わせで客のタイプを4つに分け、それぞれに対処方法を授けている。
書籍にしかないトホホな話も満載だ。心因性と思われるナゾの奇病に襲われて病院を転々としたり、多忙で洗濯ができず紙のパンツを買って履いたり、サークルのOB会で情けない思いをしたり…。一方、督促修行のおかげで「だめんず好き」に終止符を打つことができたというメリットもあったという。
本当は笑いごとではないのだが、それを乗り越えて頑張る榎本さんの姿を思い浮かべれば、きっと元気と癒しをもらえるだろう。日々の仕事で疲れ果てたときに、ふと開いてみたい一冊だ。