「ブラック一般人」がブラック企業現象を支える?
一方で、やはり手当の金額の多さ自体に驚く読者コメントも少なくない。
「別段残業時間には驚かないが、普通に支給されちゃうんだって感じ」
「そもそも時間外の時給が高すぎだろ」
月100時間以上の残業をこなす人は、民間企業でも実際に存在する。しかし、裁量労働制などによって満額を手当として受け取る人が少ないのが現実だろう。
満額を受け取れていないケースには、経営の厳しい中小・零細企業に勤める人もいるが、残業代の上限を決められている超大手企業の社員もいる。
こういう人たちには、長時間の残業をすべて申請して支払われるさいたま市の現状を、率直に驚きとして受け取っている。この点について濱口氏は、
「ブラック企業現象を草の根で支えるブラック政治家とブラックマスゴミとそしてそういう記事を読んで『そうやそうや、そんな奴らに残業代なんか払うな』と叫び立てるブラック一般人たちのがっちり組んだスクラムがあるわけなんでしょうなあ」
と批判している。