日本人が海外で会社員として働く方法には、大きく分けて2つあります。ひとつは「駐在員」で、もうひとつが「現地採用」です。
駐在員とは、日本企業や外資系企業の日本法人に雇用されて、会社命令で海外拠点に赴任している人のことです。現地採用とは、現地の日系企業や外資系企業、現地企業などに直接雇用されている人です。今回はこの2つを比べて、メリットとリスクを考えてみます。
行きたい国を自分が選ぶ現地採用、会社次第の駐在員
まず、駐在員の生活ですが、日本の給料とは別に、現地の滞在費や家、自動車、携帯電話などが会社から支給される場合が多いです。したがって、裕福な「セレブ生活」をしている人も少なくありません。(ただし会社によっては、現地の物価を考慮した、リッチとはとてもいえない給料・待遇の場合もあります。)
仕事内容は、会社によってまちまちですが、本社の意向を聞いて現地を動かす仕事が基本なので、日本と現地との板挟みになりがちです。なかには日本以上の長時間・ストレスフル労働になっている人もいるようです。
任期は、勤務地によって違いますが、2年から5年が一般的。会社に「行け」と言われたら行くし、「帰ってこい」と言われたら帰らなければなりません。行く国も、基本的に自分で選ぶことができません。
一方、現地採用の場合、給料は現地の会社から直接支払われます。専門性の高い高度な仕事であれば、日本の会社員よりも高い場合もあるし、コールセンターのような一般的な仕事であれば、現地人の給料と大差ない場合もあります。
普通の日系企業なら、20代で月に12~20万円程度の場合が多いでしょう。セレブ生活とはいきませんが、それでも結構いいマンションに住めて、年に1~2度は日本に遊びに帰れるレベルの生活をしている人が多いです。
仕事内容は、現地スタッフと協力して作業を行うことが多い傾向にあります。人によっては日本と現地の板ばさみになることもありますが、基本的には現地スタッフ寄りの立ち位置で仕事をしている場合が多いのではないでしょうか。
もちろん、任期は、ありません。自分の行きたい国に行って就職活動をし、基本的にクビにならない限り働き続けることができます。もしもクビになった場合には、ビザが切れる前に次の仕事を探す必要があります。