「幸せな国」を出て幸せになる人もいる 日本人が気づくべき「ありがたみ」

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「外国に出て行くとは何事だ!」という批判は当たらない

   このように「場所を変える」選択をした人に対し、

「こんなに幸せな国に生まれたのに、外国に出て行くとは何事だ! この国で通用しないヤツが、外国なんかで通用するはずがない!」

と批判を浴びせる人もいます。しかし、私はそう思いません。日本でうまくいかなくても、別の環境で見違えるように実力を発揮する人はたくさんいます。「幸せな国」を出ることで幸せになる人もいるのです。

   日本の企業に滅私奉公して、家族のように寄り添うことで幸せに生活できる人も、そのルールを理不尽に感じてついていけず不幸せになる人もいます。

   海外に飛び出し、自分が好きなことに邁進して自由を謳歌し、貧しくも幸せに生活できる人もいるし、夢破れて不幸せになる人もいます。もちろん、海外で多くの富を得る人もいるでしょう。

   どの選択肢を選んでも、幸せになれる希望もあれば、不幸になるリスクもあります。しかし、何かをする時にどうしようもなく立ちふさがる壁が低く、自分を成長させるチャンスはたくさん与えられる――。この両方を社会からバランスよく提供してもらっているのが、私たち日本人だということを忘れるべきではありません。

   現在の円高の影響もあり、バイトでも一生懸命働けば、どの国へ行く航空券でも購入できます。他の多くの貧しい国に生まれた人よりもスタートラインが上位にあり、それゆえに人生における選択肢が多いということに気づくと、日常感じている不満や閉塞感、絶望感がすこし緩和するかもしれません。(森山たつを)

森山たつを
海外就職研究家。米系IT企業に7年、日系大手製造業に2年勤務後、ビジネスクラスで1年間世界一周の旅に出る。帰国して日系IT企業で2年勤務後、アジア7か国で就職活動をした経験から「アジア海外就職」を多くの人と伝えている。著書に「アジア転職読本」(翔泳社)「はじめてのアジア海外就職」(さんこう社)がある。また、電子書籍「ビジネスクラスのバックパッカー もりぞお世界一周紀行」を連続刊行中。ツイッター @mota2008Google+、ブログ「もりぞお海外研究所
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