負けたのは「モノづくり」ではなく「本社」という説
結局、負けたのは「日本のモノづくり」ではなく、「モノづくりの現場」を切り捨てた「日本の本社」であり、「マーケティングやセールス、企画にデザイン」の部門というわけだ。
欧米式のリストラであれば、短期労働者中心の工場を切ればよいが、日本のような熟練技術者を抱える現場を切ってはいけなかった、というのがT氏の見立てである。
別の回答者のCorei7-Exさんも「日本企業はたとえ誰かが偉大な発明をしてもその人をきちんと評価」しないので、優秀な技術者が海外に流出しても「当然のこと」という。
不幸にもリストラに遭ってしまった技術者たちは、怒りに燃えながら、新興アジア各国の新しい職場へ臨んだのだろう。そして、赴任先の技術力を日本に供給できる水準まで上げていこうと誓ったに違いない。
日本のメーカーが本国で大赤字を出して喘いでいても、日本人技術者はアジア各国で感謝されながら、しっかり稼いでいるという。そんな彼らに、今さら「他国を利するな。いますぐ日本に帰ってこい!」と言えるだろうか。