Q&AサイトのOKWaveに、こんな相談が載っていました。質問者のbbcdさんは、ある就活サイトに掲載されていたアドバイスが納得できずにいます。大手ポータルサイトの人事部リーダーAさんが、面接でのやり取りについて、
「『C言語は何年やってこられましたか?』という質問に『3年と3ヶ月です』、以上終わり、では、質問の意図を読み違えていることになる」
と断じていたからです。このダメ出しの理由について、Aさんは「単に年数を知りたいのではなく、その中でどんなレベルの仕事をこなしたのか、どんなスキル向上があったのかを語らなければ、合格点は出せない」と説明しています。
コミュ力は「簡潔が第一」ではなかったのか
しかし質問者さんは、もしも仕事の経験やスキルを聞きたければ「C言語でどんな仕事をしてきましたか?」と質問すべきではないかと反発します。
Aさんがアドバイスの中で「コミュニケーション能力の第一は簡潔で要領を得た応答」と強調しているのも気に入りません。簡潔が第一なら「3年」でいいはずだし、聞かれてもいないことをダラダラ話すのはおかしいのではないか。
「(Aさんのダメ出しは)自分の質問の不正確さを棚に上げ、相手に自分の意図をくみ取って欲しいという甘えた考えに見えます。そんな質問をする採用側に、コミュニケーション力は十分あるといえるのでしょうか?」
この相談には、回答者のhoribouさんも賛同しています。
「そんな質問で、どんな仕事だのスキル向上を語れだの、超人でも探しているのか?とツッコミたいです。話術の達人を雇うための面接ならまだしも、あまり技術と関係ないところに高望みしたら、優秀なエンジニアを逃すことになりかねません」
これに対して、「30年以上面接担当業務に携わってきた」というsdandoさんは、就活サイトの記述に不満を訴える質問者さんに「異常さを感じます」と反論しています。
「自分の考えや生き方を問われる面接試験の回答を参考書や他人に求めている時点で、あなたは失格者です。日本の若者の幼稚化、退化が社会問題になっていますが、まさに、その実例を目にした思いです」
「一聞かれたら二か三くらい答える」
質問者さんは就活サイトの記述を批判しただけではなく、そのような「コミュ力」偏重の採用方法に不満を抱いたのでしょう。特にエンジニアとしては、とんちのような受け答えではなく、スキルを確認できる質問をすべきと考えたのだと思います。
面接を受ける立場と、面接官の立場の両方を経験したというt_ohtaさんは、「一を聞いているのに十話す」のはやりすぎだが、「一聞かれたら二か三くらい」答えた方が話が弾みやすいと助言しています。
「ITエンジニアの仕事なら職務経歴書でもポジション毎の期間を書くのと同じだと考えるといいと思います。…仕事のジャンルについて聞かれていると解釈して、『デバイスドライバーの開発が何年』とかいった感じでしょうかね」
horibouさんも、「要は数字だけ述べるんじゃなくて、自分が費やした時間を販促品として、自分というブランドを営業しなさいということを、その人事担当者は言いたかったのではないでしょうか?」とAさんの考えを代弁しています。
分かりやすい解説に、質問者さんも「聞かれたことだけに答えるより、プラスアルファする方がいいんですね。採用側の言うコミュニケーション力がどういうものか分かった気がします」とお礼を述べていました。