「手を動かさない人ほど給料が高い」システムが変わる?
K氏によるとウェブサービスの開発に関わる仕事には、利用者との接点を設計・開発する「フロントエンド」から、ネットワークやサーバなどの「インフラ」「セキュリティ」まで、さまざまな分野があるという。
ヤフーの2011年の売上高は3020億円。これを生み出すポータル事業にはそれぞれの分野で高い専門性を持つ人材が欠かせない。
新規事業で「0から1を生み出した人」だけでなく、「1を100に発展させた人」や、軌道に乗ったサービスを確実に運用し改善する人の評価も大切だ。
「プロフェッショナル職で高給を得る人は、エンジニアのリーダーとして、どの方向でプログラミングを行うべきか的確に判断できるスペシャリストだと思います。時には自分でコードを確認し、自ら手を動かすような人でなければならず、技術が分からないゼネラリストでは務まりません」
現在同社の執行役員を務める村上 臣氏は、かつてヤフーを退社した理由について、管理職のような立場で「100人くらい部下」を抱えてしまい、「自分でも手を動かして、スピード感を持ってプログラムと向き合」えなくなってしまったからと、あるインタビューに答えている。
宮坂氏も、「エンジニアという仕事をあこがれの仕事にしていきたい」という。ヤフーが抱えるエンジニアは約2000人。ゼネラリスト偏重で、手を動かさない人ほど給料が高くなる日本企業のシステムは、こんなところから変わっていく可能性はないだろうか。