「リアルで対面」じゃないと交渉は不利になる?
「ドラクエ接待」が成立しない理由として、バイヤーのAさんはゲームファンの気持ちを代弁する。
「オンラインゲームの醍醐味は、リアルでつながっていない『顔の見えない人』と、その世界だけで楽しむことが主なんですよ。仲のいい友人ならまだしも、仕事相手とはゲームでつながりたくないというのが正直な気持ちです」
営業企画のBさんは、ゴルフが接待に向いているのは、リアルで対面しているからであって、遠隔地で楽しむオンラインゲームではうまくいかないと指摘する。
「プレイ中は同じ世界を共有しているような感じがするけど、いざ世間話や商談をチャットでやると冷めてしまいそう。それに対面してると頼みを断りにくくなりますが、チャットなら断りやすいので交渉には向かないでしょうね」
その他、「同じ世代でも偉い人はオンラインゲームにハマらなさそう」「『ファイナルファンタジー』でもそういう話が出ていないのだから難しいのでは」という意見もあった。
ただ、同じゲームをすることの効果を認める声はあった。「ゲームの話をしたり一緒にプレイしたりすることで、短期間に信頼関係を強めることはできそう」という見方だ。
「ものすごく『ドラクエ』にハマっていて、レアアイテムをそういう手段(接待)で貰うことに抵抗がない人なら、すごく喜ばれると思います」(人事部Cさん)
ゲームのユーザー層が50代にまで拡大し、SNS機能も充実してコミュニケーションを密接に取れるようになれば、「ドラクエで接待もアリ」になるかもしれない。