営業が会社を辞めるのは「居場所」がないから
若者よ、営業に挑戦しよう~高城幸司×大関暁夫対談(上)

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「同じ人に2回以上会ってもらうこと」が大事

宿題に答えていくことで仕事ができていく(高城)/分からないならもう一度行くチャンスになる(大関)
宿題に答えていくことで仕事ができていく(高城)/分からないならもう一度行くチャンスになる(大関)

大関 私の店にも何も下調べせずに営業が売り込みにきて困っています(笑)。事前にウェブサイトを見たり、調べ切れなければヒアリングするのは当たり前のことだと思うのですが、それをせずに繰り返し断られ続ければ、営業がどんどんイヤになります。

高城 相手のことを知らないでモノを売りつけようだなんて、おかしいですよ。お客さんの内情を理解し、かつ客観的な視点から提案ができる営業の言うことは、どんなお客さんだって耳を傾けざるを得ません。ヒアリングが大事なのは、未来のことはパンフレットに書かれていないからです。商談というのは未来に成立することですから、この会社で今後なにが起こるのか、どうしていきたいのかの話を聞かなければならない。

大関 でも、うちの店に来る営業は、「今後こういうことを考えているから、こういう提案をしてくれたら検討したいね」と注文を出すと、二度と来なくなるんですよ。

高城 それは、お話の半分くらいを理解できていないからじゃないですか? 残り半分を理解するためには、もう一度聞きに行かなければならない。でも恥ずかしい。それなら他のお客のところに行こう、ということになる。

大関 分からないなら、もう一度行くチャンスになるはずなんですがね。

高城 そう。たいがいの人は、強く頼めば1度は会ってもらえます。でも、2回目に会ってもらうのは難しい。「同じ人に2回以上会ってもらうこと」が大事です。そのためには、何でもいいから宿題を持ち帰ること。宿題に答えていくことで仕事ができていく。

大関 理想的な提案を、一発で決めなくてもいいんですよね。その場で「できる」「できない」とか「難しい」とか言わなくてもいい。

高城 「すみません、頭悪いんで分かりませんでした。もう一回教えていただけますでしょうか?」と言えば、「しょうがないねえ」と教えてくれるものですよ。そして「持ち帰って上司と相談しましたが、頭が固くてすぐには実現が難しいようです。でも、お話はよく分かりますので、自分なりに考えて説得を続けます。…で、私も仕事なんで、もう一回営業していいですか」とか言えばいい(笑)。

大関 成果を手っ取り早く出したがって、壁にぶつかったら「スルー」して別の客に行く。でも、じきに行くところがなくなる。ストレスはたまらなくていいけど、出会い頭営業だけに頼っていては逆に難しい。

高城 この人と付き合っておけば、将来伸びるから、人脈が広そうだから会っておくという判断ができない。ポテンシャルを測れない。お客さんとの関係は、キャッチボールしながら作っていくものです。自分を「モノを売る人間」と考えていては、営業はできません。

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