クルマは運転手が自己満足に浸るものではない?
ブリヂストンとトヨタ自動車、これら2つの事例の共通しているのは、運転手ではなく同乗者をターゲットにしているところだ。カーナビなどを除き、運転中にスマートフォンの画面を見ることができないのは当然だが、理由はそれだけではなさそうだ。
これまでのキャンペーンは、クルマの魅力を運転手に訴求することが中心だった。クルマとはオーナーが運転するものであり、所有するものという意味合いが強かったからだ。本人がモテるとか、自己満足に浸ることが最も大事な条件だった。
その要素がまったく失われたわけではないが、家族や友人などと同じ空間、同じ時間を共有することの楽しみが、より重要になっているのではないか。一緒にドライブをすることで、人とのつながりや思い出を作るプロセスに喜びを感じる。この2つのアプリは、そんなメーカーの発想の転換を表現しているのかもしれない。(岡 徳之)