プレジデントオンラインで、銀座の高級クラブのママなど水商売に関わる人々に取材した2年前の記事が公開されている。
「会社員なのに、高い輸入車に乗っている人は出世しない」
「出世する男は若い子を好まない傾向がある」「だらだら飲むことはない」
など、長引く不況であまり聞かれなくなった「出世と遊び」の関係についての発言が興味深い。
出世しないオトコ「何度も延長してスイマセン」
記事のタイトルは「銀座ママの証言『会話、飲み方、しぐさで決まる』」。出世する男がキャバクラで「だらだら飲むことはない」理由を説明するのは、“キャバクラ王”と呼ばれたレジャラース会長の新冨宏氏だ。
キャバクラ経営者として出世する男たちに接した経験によると、彼らは「人生のスケジュールができている」ので、酔っ払って内容のない話をしても時間のムダと心得ており、「時間が来たら切り上げて、家族のもとに帰ることができる」という。
一方、出世できない普通の男は、入店時は1回延長して帰ると決めていても、酔ってくると気が大きくなって延長を繰り返す。こんな指摘を受けて、ツイッター上には、
「同じ店で3~4時間もダラダラと過ごす俺は…これ以上出世は見込めないと言うことなのな」
「何度も延長してスイマセン」
といった反省の弁が見られる。
「出世する男は若い子を好まない傾向がある」という指摘は意外だ。記事では、若い女性を好む人は出世の見込みが薄いとまで言っている。新冨氏は、
「年齢のギャップがあって会話が成り立たないという理由もあるし、クールダウンのために来ているのだから落ち着いた雰囲気を求めるということもある」
と説明する。とはいえ、単純に「年齢のギャップ」とは、ずいぶん消極的な理由ではないか。そこで執行役員の上司Aさんとともに、東京・新宿の高級キャバクラを月2~3回訪れるという30代商社マンのBさんに詳しく話を聞いてみた。
経験の浅い女の子は「グラスを倒したりするから危ない」
「うちの上司は40代半ばで執行役員になった出世頭ですが、仕事力を磨くにはキャバクラがいいと、若いころからよく連れて行ってもらいましたね」
Aさんの特徴は、どの女の子にも分け隔てなく対応すること。自分の好みでなくても、あまり美人でなくても関係ない。その場にいる女の子を含めて楽しい場を作ろうとするので、人気があるのだそうだ。
つまり、若い子「だけ」をひいきしないということだが、ストレスが溜まったときには、積極的に「若い子を好まない」傾向が出るという。
「若くして出世すると、いろいろとイヤなことに直面するんですよ。でも、文句を言っても始まらない。そういうイライラしたときに『ちょっと付き合わないか』と言われるんです。このとき大事なのは、女の子が粗相をしないこと。経験の浅い子はグラスを倒したり、下らない話題を持ちかけたりするから危ない」
Bさんは30代のベテラン女性を指名することを提案し、静かに飲んで帰る。エネルギーは仕事できちんと使い、癒しのために来店する人が出世するということだろう。
この点は、新冨氏も同じ考えのようだ。店が終わっても若い女の子たちを引き連れて「アフター」で遊ぶのが好きな男に対しては、「翌日の仕事に確実に響く」「状況判断ができないか、意志が弱い人物」と手厳しい。