「遅刻したら1万円、当日欠勤で3万円」 罰金取って、何が悪い?

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社会保険労務士・野崎大輔の視点
ペナルティは「1日分の半額、1か月の10分の1」が限界

   現状のペナルティは厳しすぎるので違法です。監督官に事情を説明しても許されないでしょう。是正勧告に従わなければ罰せられます。

   遅刻した時間は「ノーワーク・ノーペイ」の原則により、給与から控除することができます。それ以外のペナルティの意味合いで給与を減額する場合には、労働基準法の「減給」の制裁に該当します。減給は「1回の額が平均賃金の1日分の半額を超え、総額が1賃金支払期における賃金の総額の10分の1を超えてはならない」(労働基準法91条)と定められています。平均賃金は、遅刻や欠勤という事実が発生した日以前3か月に支払われた給料の総額を、事実発生日以前3か月間の総暦日数で割って算出します。月給を単純に出勤日数で割るのではありません。

   例えば遅刻は「平均賃金の4分の1の罰金」、欠勤は「平均賃金の2分の1の罰金」と定めることは可能ではないでしょうか。遅刻、欠勤が多い場合はその都度控除されますが、総額が月給の10分の1を超えることをできません。超えた分は、翌月以降の給与から減額します。なお、ペナルティとして減給する場合は、就業規則にその旨を定めておくことが必要です。

尾崎 健一(おざき・けんいち)
臨床心理士、シニア産業カウンセラー。コンピュータ会社勤務後、早稲田大学大学院で臨床心理学を学ぶ。クリニックの心理相談室、外資系企業の人事部、EAP(従業員支援プログラム)会社勤務を経て2007年に独立。株式会社ライフワーク・ストレスアカデミーを設立し、メンタルヘルスの仕組みづくりや人事労務問題のコンサルティングを行っている。単著に『職場でうつの人と上手に接するヒント』(TAC出版)、共著に『黒い社労士と白い心理士が教える 問題社員50の対処術』がある。

野崎 大輔(のざき・だいすけ)

特定社会保険労務士、Hunt&Company社会保険労務士事務所代表。フリーター、上場企業の人事部勤務などを経て、2008年8月独立。企業の人事部を対象に「自分の頭で考え、モチベーションを高め、行動する」自律型人材の育成を支援し、社員が自発的に行動する組織作りに注力している。一方で労使トラブルの解決も行っている。単著に『できコツ 凡人ができるヤツと思い込まれる50の行動戦略』(講談社)、共著に『黒い社労士と白い心理士が教える 問題社員50の対処術』がある。
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