社会保険労務士・野崎大輔の視点
ペナルティは「1日分の半額、1か月の10分の1」が限界
現状のペナルティは厳しすぎるので違法です。監督官に事情を説明しても許されないでしょう。是正勧告に従わなければ罰せられます。
遅刻した時間は「ノーワーク・ノーペイ」の原則により、給与から控除することができます。それ以外のペナルティの意味合いで給与を減額する場合には、労働基準法の「減給」の制裁に該当します。減給は「1回の額が平均賃金の1日分の半額を超え、総額が1賃金支払期における賃金の総額の10分の1を超えてはならない」(労働基準法91条)と定められています。平均賃金は、遅刻や欠勤という事実が発生した日以前3か月に支払われた給料の総額を、事実発生日以前3か月間の総暦日数で割って算出します。月給を単純に出勤日数で割るのではありません。
例えば遅刻は「平均賃金の4分の1の罰金」、欠勤は「平均賃金の2分の1の罰金」と定めることは可能ではないでしょうか。遅刻、欠勤が多い場合はその都度控除されますが、総額が月給の10分の1を超えることをできません。超えた分は、翌月以降の給与から減額します。なお、ペナルティとして減給する場合は、就業規則にその旨を定めておくことが必要です。