AKB48が教えてくれた「リアル営業」生き残りの道

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「イベント感」「ライブ感」ある顧客との接点づくりを

   ではなぜ、歌手の「営業」である店頭イベントが、CD売上の販売数を押し上げることになったのでしょう。一言で言えば、利用者の間には知らず知らずのうちに、ネット販売の無味乾燥さに潜在的な不足感を抱いていたのではないでしょうか。

   だからこそ、音楽データのダウンロード販売では決して味わえない、歌手との距離を縮める店頭イベントと言うリアルな営業を、より一層魅力的なものに感じさせることにつながったのです。

   ならば音楽ソフト販売に限らず、我々リアル営業はどうあるべきなのか。本連載でもたびたび申し上げているように、ネットと同じ価格営業をするのは無味乾燥な営業でしかなく、リアル営業として魅力がないということになります。

   もしもあなたの営業スタイルが、商品パンフレットに沿って商品説明をして、最後は価格交渉に持ち込まれてしまうものなら、それはすぐにでも改めないといけません。

   顧客と商品の距離を縮める「イベント感」あふれる営業展開こそが、リアル営業の醍醐味であり、商品販売における「ライブ感」こそがリアル営業の命です。

   AKB48の握手会をヒントに考えるなら、個別の顧客ニーズをとらえたインパクトある接点づくりをいかに実現するか。営業における「イベント感」とはオーダーメイド感であり、「ライブ感」とはパンフレットでは分からない商品の魅力を生で伝えることです。

   いかに個々の対象に合った、生きたセールス・プレゼンテーションが実行できるのか。音楽業界における「営業」の可能性を教えてくれたAKB48に、勝ち残る「リアル営業」のヒントは隠されていたと言えるのではないでしょうか。(大関暁夫)

大関暁夫(おおぜき・あけお)
スタジオ02代表。銀行支店長、上場ベンチャー企業役員などを歴任。企業コンサルティングと事業オーナー(複合ランドリービジネス、外食産業“青山カレー工房”“熊谷かれーぱん”)の二足の草鞋で多忙な日々を過ごす。執筆にあたり若手ビジネスマンを中心に仕事中の悩みを募集中。趣味は70年代洋楽と中央競馬。ブログ「熊谷の社長日記」はBLOGOSにも掲載中。
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