Q&AサイトのOKWaveに、こんな相談が載っていました。質問者のneiro1102さんは、小さなホームヘルパー会社で働くことになりました。すると社長から「向こう2年間は会社を辞めません」という誓約書を書いてくるよう命じられたそうです。
社長は「調べればいろいろ載っているから」と言いますが、ネットで調べる限り、そのようなものは見当たりません。そこでユーザーたちに尋ねてみることにしました。「書き方を教えていただけると助かります。よろしくお願いします」
せっかく育てた人材に、早く辞めてもらったら困るのか
この相談には、そもそも誓約書の提出が必要なのか、疑問を呈する人がいました。
「まず、冷静になりましょう。なぜ、そんな書類を書く必要があるのを考えてみましょう。…あとあと困ることになるで」(osakajazzerさん)
経営者の視点から、2年以内に辞めてもらいたくない理由を考えてみましょう。すると「せっかく育成した人材が、会社に貢献する前に辞められてしまっては困る」という言い分が思いつきます。
どんな人材でも、初日から戦力になることはほとんどありません。最初のうちは、会社は人材育成のために「投資」をすることになります。そのリターンが帰ってくる前に辞められてしまっては、会社は損をするわけです。
「労働基準監督所に問い合わせてみた方がいいですよ。そういったのが、法で認められてないから例文がないのだと思います」(tanutubuさん)
という意見もありました。確か民法によれば、期間の定めのない雇用契約を結ぶ労働者は、退職の2週間前までに退職願を提出すれば、会社を辞めることができるはずです。
「2年間は必ず働いてもらいたい」と願って2年契約を締結しても、労働者側からいつでも退職を申し出られるのは変わりません。会社側の解雇には「客観的に合理的な理由」が必要なのと比べると、ハードルが低くなっています。