最近筆者のフェイスブックのタイムラインが、水色の髪のキャラクターで賑わっている。花王が提供している「ビオレママ顔メーカー」を使い、ボディーソープ「ビオレu」のキャラクターであるビオレママのテイストで自分の似顔絵(アバター)を作っているのだ。
筆者も実際に使ってフェイスブックでシェアしたところ、「再現度すごい」「似てる!私も作ってみました!」などのコメントがつき、友人たちもアバターを作るというクチコミでの広がりが起こった。
232種類のパーツでそっくりの似顔絵が作れる
「ビオレママ顔メーカー」では、用意された232種類のパーツを選んでアバターを作ることができる。髪、目、鼻、口、眉、輪郭、飾りのそれぞれのパーツは「ビオレママ」のテイストで描かれており、泡の飾りをつけるとお風呂に入っているように見える。
できあがったアバターは、フェイスブックやツイッター、ミクシィのアイコンのサイズに合わせてダウンロードすることもできる。画像は商用やブランドイメージ低下につながる利用など一部の用途を除いて、自由に使うことができる。
ソーシャルメディアのアイコンとして使用されれば、拡散効果が期待できる。そのユーザーがソーシャルメディアで行動を起こせば、アイコン画像が表示され、他人の目を引くことになるからだ。
アイコンがユニークで可愛いものであれば、効果はなおさら高いものになる。ただし、アイコン画像の変更はユーザーにとって面倒でもあり、敷居が高いことは事実。とはいえ一度変更されれば、しばらくは他のアイコンには差し替えられない。
自分自身の顔写真をアイコンに使いたくない人にとっても、このようなアバターなら抵抗感なく使えるという人もいるのではないか。
SNSで使うパーツは重要な「媒体」になっている
このように自社の素材を配布してユーザーに使用してもらうキャンペーンといえば、2000年代の「ブログパーツ」があった。
ブログパーツとは、ブログの中に時計やゲーム、ニュースなどを流す「部品」のことで、企業のロゴやキャラクターを入れ込むことで自社のブランドを周知したり、サイトへのアクセス誘導を図ったりするものだ。成功事例としては、2007年にユニクロが実施した「UNIQLOCK」が有名だ。
しかし今では、ブログを書く人よりもSNS利用者の方が圧倒的に多く、このため「ビオレママ顔メーカー」のような方法に切り替えられたのだろう。
多くの人が利用するSNSでは、そこで使うアバターや背景なども重要な「媒体」となりうる。それをどう利用するか、これからも企業の知恵の出し合いが続くのではないだろうか。(岡 徳之)