「上の世代の雇用を守る」採用抑制に批判も
中央大学理工学部の竹内健教授は7月25日のブログで、イチローのヤンキース移籍に爽やかさを感じるとしながら、「日本の年功序列は、組織の新陳代謝を邪魔してないか」と批判している。
「会社の調子が悪くなれば、人件費を削るために、若手の採用を控える。今年などは、本当に就職が厳しく、学生たちは苦労しています。でも、会社としても、それでいいのか? 傾いてきた会社が、上の世代の雇用を守るために、若者の採用をしなくなっている。きっと、弱ってきた会社が、更に弱ることになるでしょう」
大リーグと日本企業の大きな違いは、「実力主義」か否か。スポーツで勝つためには、合理的な判断が必要になるが、それが人材の「適材適所」を促している。しかし、日本の組織の新陳代謝は、実力を反映しない年功序列によって阻害されているということだ。
ツイッターにも「企業でも役職に安住して、若手の成長を阻んでいるという話を良く耳にする。そういう人達は本当にイチローを見習って欲しい」と指摘する人がいた。
イチローが大リーグで活躍しはじめたとき、「イチローみたいな人材が欲しい」「お前もイチローみたいに頑張れ」とハッパをかける上役がいたものだ。今度は「あなたがイチローを見習って後進に道を譲っては」と言い返してあげるといいのではないか。