20代のビジネスパーソンに「30代後半になっても、思ったとおりに管理職に昇進しなかったらどうする?」と尋ねたところ、男女とも「昇進には興味がないからどうでもいい」が1位になったという。
あきらめずに「頑張りなおす」という回答は、男性では4位(15.1%)、女性では5位(11.5%)。「会社員たるもの、出世を望むのが当たり前」という世界は終わってしまったようだ。
高度成長期じゃあるまいし「重い責任」など担えない
調査はマイナビニュース会員の男性416名、女性584名を対象に、インターネットを通じて行われた。2位以下は男女とも「仕方がないと割り切る」「あきらめる」が続き、昇進に強いこだわりがないことがわかる。
興味がないからどうでもいい、と答えた男性からは、
「責任が重くなるだけで、魅力を感じない」(25歳、団体職員)
「責任だけ増えて給料が上がらないから」(29歳、商社)
「マイペースで生きていきたい」(29歳、技術職)
といったコメントが一様に寄せられている。下手に出世してしまったら、重い責任を負わされるだけで何のメリットもない、という覚めた見方が現れている。
高度成長期には、「前年比で売り上げ150%!」と高い目標を掲げても、頑張ればなんとか達成可能だった。頑張っただけ会社も儲かり、給与が増える可能性も残っていた。
しかし構造的な不況の中で、管理職として同じような目標を与えられても、勝算は限りなく低く、お客にムリな商売をして達成しても将来性はない。
給与に大きく反映されることも、ほとんど期待できない。そんな「責任」を負わされては堪らないというのも、十分に合理的な判断と言える。
評価されない会社なら「転職する」という人も
出世に興味がないので、どうでもいいと答えた女性からは、「親が管理職で休みの日も仕事に行っていたが、自分はそうなりたくない」というコメントがあった。
高度成長期には、昇進と引き換えにプライベートで大きな犠牲を強いられた。いいことばかりではなかったのだ。
そんな中、出世を簡単に諦めたくない人もいる。30後半で管理職になれなかったら、今の会社を辞め「転職する」と答えた人は、男性で10.1%、女性で11.8%いた。
「別の会社に行って、出世の可能性に賭けたい」という強い意志を持った人たちなのだろう。金融業の営業職で働く25歳の男性は、
「評価されない会社にいても仕方ない」
と言い切る。給与がそこそこで居心地のいい会社であればマイペースで働いてもいいが、働きに見合った評価をしてくれない会社には愛想を尽かすということだ。