経費削減のあおりで、さまざまな補助や手当ての見直しが行われている。一見して無駄と思われるものでも、もらっている本人にしてみれば「なぜここから手を着けるのか」「他にも無駄はあるだろう」と不満に感じるものだ。
ある会社では、外回りの営業社員の便宜を図るため、実費精算の「昼食補助」を行っていたが、使われ方の中身に甚だ疑問のあるものが見つかったという。
注意すると「限度額内だからいいじゃないか」と反論
――製造業の人事担当です。当社には社員食堂があり、本社や工場に勤務する従業員たちは、昼食を安価で食べることができます。
しかし、外回りの営業は社食を利用できないので、金銭的な負担がアンバランスになります。営業からの不満もあり、数年前から領収証で実費精算をしています。
これは当社制度の中でも、社員から特に評価の高いものですが、昨今の経費削減の要請で、経理から「内容を精査するように」と指示を受けました。
そこで領収書の中身を見てみると、多くの社員は、定食屋で食事を済ますのではなく、コンビニで弁当などを買って社用車の中で食べていたことが分かりました。
これに伴い「これが昼食か?」と疑問に思われるものも増えているようです。
「弁当を毎日2個購入している(夕食分として買っている疑惑)」
「1.5リットルのペットボトルを購入している(自宅に持ち帰っているようだ)」
「同じお茶を何本も買っている(おまけのフィギュアねらいか)」
「レシートに500円のおもちゃが入っている(それは食事ではないだろう)」
いずれも精算の上限額である1200円以内ではありますが、こういった使い方は想定していません。該当する社員にただしたところ、「限度額内なんだから、何を買おうと勝手じゃないですか」と反論されました。
こんなことなら補助はやめてしまおうかと思いつつ、中止すれば営業マンのモチベーションを大きく下げそうです。どうしたらいいのでしょうか――