リストラ時代には「不正な情報漏えい」に気をつけろ

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   一般企業の社員に「内部不正」をしたい気持ちが高まるときについて尋ねたところ、「不当だと思う解雇通告を受けた(34.2%)」がトップとなった。2位には「給与や賞与に不満(23.2%)」、3位には「社内の人事評価に不満(22.7%)」があがっている。

   ここでの内部不正は、情報システムの悪用や情報の持ち出し、データの破壊などを指すが、実行に移されたときの経営上の損害は小さくない。企業のリストラが進み従業員のストレスが高まっている今、不正の予防にはあらためて注意を払う必要があるだろう。

社長のメールを盗み見ていた「システム管理者」

社長宛のメールには、さまざまな機密情報が含まれている
社長宛のメールには、さまざまな機密情報が含まれている

   このアンケートは、情報処理推進機構が一般企業の社員3000人を対象にしたもの。

   内部不正の気持ちが高まる理由としては、ほかに「職場で頻繁にルール違反が行われている」「システム管理がずさんで顧客情報を簡単に持ち出せることを知っている」といった項目も上位となった。管理がいいかげんな会社では、不正の誘惑も高まりやすいということである。

   機構ではアンケートに先立ち、実際に内部不正調査に携わった関係者に20件のインタビューを行っているが、その中身も興味深い。

   ある会社では、営業社員がリストラで退職する際、社内システムのパスワードを無断で変更し、それを会社に知らせず退職してしまった。会社への恨みが動機と見られるが、このような簡単な嫌がらせで、会社の貴重な情報資産が損なわれる可能性もある。

   また、ある会社ではシステム管理者が、社長宛のメールを自分のメールアカウントに転送していた事件が発覚した。社長宛のメールには、さまざまな機密情報が含まれているだろう。メールをネタに社長を脅すことも考えられる。

   このシステム管理者は、社長のクライアントPCの設定を行う立場にあることを悪用していた。分からないことを何でもやってくれる「社内の便利屋」に頼りきってしまうのも考えものなのかもしれない。

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