人気女性誌『anan』(2012.7.18号)に、驚きのデータが掲載されていた。25歳から35歳の独身女性の55%は、彼氏がいないというのだ。年ごろ女性の半数以上がフリーだなんて、ちょっともったいない気がする結果である。
でも、同じくらいの年代の女性に聞いてみると、「もっと少ないでしょ」「いやもっと多いよ」など反応はさまざま。55%という「平均値」のウラには、何かがありそうだ。
「彼氏なしが8割方」というグループだってある
中堅出版社に勤める編集者のNさんは、大学を卒業して2年間彼氏がいない。入社以来、仕事に追われて男性と交際するどころか、出会う機会もないという。化粧っ気は薄く、週末はもっぱら疲れた心身を休める「休養日」となる。
「私の周りの編集女子は、8割方が『彼氏なし』。半数近くが彼氏持ちだなんて、この仕事をしている人間にはまるで無縁な話ですよ」
出版に携わりたくて、ようやくこの会社に滑り込んだが、仕事の過酷さは予想以上だ。毎月の出版点数ノルマもあるし、途中まで進んだ企画が立ち消えになって大きなストレスになることもある。
それでも今のところは、どうしても彼氏が作りたいというわけでもないらしい。
「やっぱり出版に携わったからには、自分が納得できる本を出すまでは手を抜きたくない。覚えることはまだまだあるし、仕事で成長している実感がある」
大学時代に付き合った男性はいたが、ああいう付き合い方なら「時間の無駄」に思える。寂しさをオトコで紛らわしても、結局は充実感が得られそうにない。
「女のセンパイたちはフリーの編集者になったり、作家やイラストレーターになったりした人もいるけど、けっこう独身が多い。たまに付き合っても、あっさり別れたり。別にひとりで生きていったって、いいと思うこともある」
出版業界以外でも、中堅、中小企業に勤めるまじめで仕事熱心な女性の中には、同じようなタイプの人が多く見られる。ただ、彼女たちの中にも「早くこんな生活やめて、どこかに『永久就職』したい」という人もいる。それだけ仕事がしんどいということだろう。