営業で「ノー」と言われたときの、頭の切り替え方

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   商談は必ず結論が出るもの。お客様の返事は「イエス」の時もあれば、「ノー」の時も当然あります。

   さて、残念ながら結論がノーと出たら、どうするのがいいのでしょうか? もちろん、あなたの気持ちは少々ガッカリしているはずです。でも、断られてから始まることもあります。まずは考えを前向きに変えてみましょう。

かけがえのない「時間」を何に使ったかが重要

「ノー」と言われた商談から何を学ぶのか
「ノー」と言われた商談から何を学ぶのか

   営業の仕事は、トーナメント戦ではありません。1回の商談がダメになったら全てが終わり、ではありません。「夏の甲子園」よりもずっと条件がいいのです。

   営業はあくまでリーグ戦。最終的に高い勝率を目指して、負けたときには、そこから何かを学ぶ機会を得たと考えましょう。

   よくプロ野球の監督が、140試合を超える公式戦で大事なこととして「すべての試合で勝とうと思う必要はない」「全試合を終えたところで80試合勝てていればいい」と話しています。

   すべての試合で勝てるに越したことはありませんが、それは現実的ではありません。目の前の勝ち負けに一喜一憂してもしようがない。負けを引きずりすぎる必要はありませんし、勝って兜の緒を締めよ、という言葉もあります。

   営業も同じで、トータルでの高い勝率を目指すには、勝ちパターンをたくさん持つことが大事。「ノーと言われた商談から何を学ぶか?」「次に活かせることはあるか?」と振り返ってみましょう。

   例えば、提案した商品を見直すべきだったとか、競合の提案を意識するべきだったとか、そもそも自分のヒヤリングが甘かったとか、きっとあるはず。次に活かせることを探してください。それがみつかれば、断られても「とても有意義な時間になった」と自信をもって、次に向かえるはずです。

   一番かけがえのないものは「時間」です。仕事が取れたか取れないかよりも、何に時間を使ったかを意識しましょう。たとえ失敗しても自分の成長があれば、日々の成果に一喜一憂しなくなるのではないでしょうか?

早めの「ノー」をもらうのも営業の腕の見せどころ

   仮にあなたが携帯電話を法人向けに営業する営業マンだとしましょう。見積もりを出して2週間を経過した2社のお客様に、「結論はいかがでしょうか?」と、おそるおそる聞いてみました。

   1社目のお客様の返事は「注文します」。いい結論をいただけたので、当然「ありがとうございます」とお礼を言うでしょう。しかし、2社目のお客様の返事は「注文しません」でした。

   もちろんガッカリした気持ちになりますが、だからといって「ふざけるな!」などと憤るべきではありません。 心から感謝し、「ありがとうございます」と答えましょう。

   なぜなら、お客様は時間をかけて判断してくれたからです。イエスだろうがノーだろうが、結論を示す人は信頼していいですよ。きっと次の提案をすれば、仕事になる確率は高くなっているはずです。

   むしろ悲しいのは「結論を先延ばしにする人」。私の経験でも、累計30回もお伺いを立てたのに、返事をくれない人がいました。商談を諦めて3年。別の部署の管理職になってあいさつに訪れたところ、「あの件だよね、もう少し時間をくれないかな」と切り出されて…。

   結局、検討していないから「もう少し」としか言えないのでしょう。無駄な時間を費やさないためにも、「イエス」か「ノー」を早めにもらうのも、優れた営業の腕の見せどころといえるでしょう。(高城幸司)

*2012年7月、 日本実業出版社より『入社1年目を「営業」から始める君へ』を出しました。ぜひご一読いただければと思います。
高城幸司(たかぎ・こうじ)
1964年生まれ。リクルートに入社し、通信・ネット関連の営業で6年間トップセールス賞を受賞。その後、日本初の独立起業専門誌「アントレ」を創刊、編集長を務める。2005年に「マネジメント強化を支援する企業」セレブレインの代表取締役社長に就任。近著に『ダメ部下を再生させる上司の技術』(マガジンハウス)、『稼げる人、稼げない人』(PHP新書)。
「高城幸司の社長ブログ」
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