早めの「ノー」をもらうのも営業の腕の見せどころ
仮にあなたが携帯電話を法人向けに営業する営業マンだとしましょう。見積もりを出して2週間を経過した2社のお客様に、「結論はいかがでしょうか?」と、おそるおそる聞いてみました。
1社目のお客様の返事は「注文します」。いい結論をいただけたので、当然「ありがとうございます」とお礼を言うでしょう。しかし、2社目のお客様の返事は「注文しません」でした。
もちろんガッカリした気持ちになりますが、だからといって「ふざけるな!」などと憤るべきではありません。 心から感謝し、「ありがとうございます」と答えましょう。
なぜなら、お客様は時間をかけて判断してくれたからです。イエスだろうがノーだろうが、結論を示す人は信頼していいですよ。きっと次の提案をすれば、仕事になる確率は高くなっているはずです。
むしろ悲しいのは「結論を先延ばしにする人」。私の経験でも、累計30回もお伺いを立てたのに、返事をくれない人がいました。商談を諦めて3年。別の部署の管理職になってあいさつに訪れたところ、「あの件だよね、もう少し時間をくれないかな」と切り出されて…。
結局、検討していないから「もう少し」としか言えないのでしょう。無駄な時間を費やさないためにも、「イエス」か「ノー」を早めにもらうのも、優れた営業の腕の見せどころといえるでしょう。(高城幸司)
*2012年7月、 日本実業出版社より『入社1年目を「営業」から始める君へ』を出しました。ぜひご一読いただければと思います。