ライバルは井上真央!「トッカン」vs「督促OL」回収戦争

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   毎週水曜日にやっている井上真央主演のテレビドラマ「トッカン 特別国税徴収官」(日本テレビ)を面白く見ています。

   主人公は、国税の徴収を担当している新人徴収官の女の子。金額や方法は違いますが、私が携わるカード会社の督促と同じ「お金の回収」の話なので、嫌われ仕事に悩む境遇や心情にはとても共感できます。

税金や家賃、ライフラインと戦ってお金を確保

あー私にも回収させてくださいよー(イラスト:N本)
あー私にも回収させてくださいよー(イラスト:N本)

   でも、ドラマを見ていると「やっぱり税金って強いよなぁ」と思います。だって、カードの支払いを踏み倒しても逮捕されたりしないけど、税金を納めなかったら罪になるし、税金の徴収官たちは立ち入り調査や差し押さえという強力なカードを持っているのですから。

   私が督促をするお客さまの中には、クレジットカードやキャッシングだけでなく、もろもろの支払いを滞納している方もいます。

   お客さまの支払いの優先順位は、1番目が税金(天引きされることも多い)で、2番目が家賃(払わないと住めなくなるから)。3番目が電気、ガス、水道料金などのライフライン(止められると生活が困る)で、それらを払って最後にやっと、クレジットカードやキャッシングの支払いにまでお金を回して下さいます。

   延滞中のお客さまに「そろそろお給料が出てるはず!」と電話をかけると、

「あ~、××カードさん?税金滞納してたら銀行口座押さえられちゃった。しばらく払えませんね~」
「給料は家賃に回しちゃった。住む所なくなると困るからさ」

なんて言われてしまうこともあります。

   それに私たちが督促に使えるのは、電話をかけることと、「督促状」と呼ばれる手紙を送ることの2つだけ。この2つの手段で、差し押さえや立ち退きの勧告といった強力なカードを持つ税金や家賃の回収と戦っていかなければならないのです。

債権回収OL・N本(えぬもと)
某金融機関で債権回収部門に所属する20代OL。コールセンターで支払延滞顧客への督促を担当している。入社半年で3億円の回収を達成して頭角を現し、10万件の顧客を担当する精鋭チームに最年少で配属された実績を持つ。他人に強く言えない気弱な性格を逆手にとり、独自の「交渉メソッド」を開発。300人のオペレーターを指導しながら、年間2000億円の債権回収に奮闘している。好きなものは、ビールとスイカ。ブログ「督促(トクソク)OLの回収4コマブログ」。(本コラムは当事者のプライバシー保護のため、一部事実と変えている点があります。)
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