某大手企業に入社して3か月のHクン。東京のオフィス街、丸の内に毎日通っているけれど、社会人になって期待はずれだったことがいくつかあるという。一番大きな期待はずれは「丸の内には、思ったほどOLさんがいない」ということだ。
丸の内OLといえば、濃い色のスーツに身を包み、黒髪を縛った清楚なキャリアウーマンというイメージ。「いまは渋谷や新宿に勤めているけど、いつかは丸の内で働きたい」と憧れているビジネスウーマンも、実はいるのではないだろうか。
「制服を着た一般事務の正社員」は確かに減っていた
そこでお昼休みの時間に、丸の内まで様子を見に行くことにした。通りは当然のことながら、男女ビジネスパーソンでごった返している。若い女性だってたくさんいる。Hクンは、何か勘違いしていそうだ。
丸の内の大手企業で働いているベテランOLのTさんに、疑問をぶつけてみた。彼女もやはり「丸の内OLが減っているという印象は特にない」という。ただ、OLさんの服装の傾向が変わったかもしれない、という証言をもらった。
「丸の内といえば、以前は銀行や生保のように、服装に規律を持つ企業で働くOLさんが多かったですよね。でもいまは、外資系企業や人材ビジネスの会社、それから新丸ビルやオアゾなど複合商業施設ビルで働く人が増えて、制服指定の会社が少なくなったかもしれません」
なるほど、Hクンには、制服を着たOLさんの憧れが強かったのだろうか。だからイメージの中にあるような「OLさん」がいない、とガッカリした可能性はある。
女性の雇用形態も変わっている。ここ10年で、一般事務の正社員が大幅に減って、多くの企業が派遣スタッフに切り替えている。正社員よりカジュアルな服装をしている人が多いらしい。
「昔のようなお局さんもいなくなり、厳しい服装チェックもなくなりましたからね。髪を染めた女性が闊歩していて、絵に描いたような“丸の内OLっぽい女性”が少なく見えたんじゃないですか」