「あの自民党で剛腕幹事長」のボーナスも使い尽くした
小沢さんも自らの意思で組織を割るのは、自民党、新進党、民主党とこれで三度目だ。
しかも、そのたびに本人のビジョンがどんどん見えなくなってきていて、かつて「グランドキャニオンには柵がない」と著書で述べた自主自立の精神はどこへやら、今では農家と土建屋バンザイ、自由貿易反対という昭和の粗大ゴミみたいな政治屋になり果ててしまった。
「あの自民党で剛腕幹事長と呼ばれていました」というボーナスは、そろそろ使い尽くした感がある。
小沢新党に期待する割合は、日経新聞の調査では20.2%、朝日新聞では15%と絶賛低迷中で、結果的に野田政権から切り捨てられた形となっている(ちなみに同じタイミングでの野田政権支持率はそれぞれ54.8%、27%)。
引っかき回すだけで何も実現しない政界のジョブホッパーに、有権者もそろそろ愛想を尽かしている頃ではないか。
ひょっとすると政界再編のドタバタに乗じて、再び連立入りすることもあるかもしれない。でも、彼は何ひとつ実現はできないだろう。反対することでしか自己ピーアールできない人たちは、どこに行っても反対するだけだからだ。(城繁幸)