「同業者交流会」の方がよさそうなのに
そんな裏の目的を隠して、名刺を集める人がいるとか…。予想もしなかった指摘を受けたM子は、「どうしよう。100枚近くあげちゃったよ」とおどおどし始めた。幸い、いまのところは怪しい電話やメールは来ていないようだけど。
そもそも、なんでそんなところに行ったのか。中堅商社に勤めるM子の上司が申し込んだ動機は「新規営業先を開拓したかったから」だという。でも、Nさんは「そんな場所で仕事が成立するなんて、宝くじ並みの確率」と冷ややかに言う。
「だって、みんなが自社の商品を売りたがってるんだから、買い手になりそうな人が少ないのは当たり前じゃない(笑)」
考えてみれば、なぜ「異業種」なんだろう。同業種の人と交流した方が、勉強になることが多いのに。交流によって何かが生まれる可能性だって、ずっと高くなりそうだ。
もっといえば、ユーザーを集めて関係を深め、自社のサービスのいいところや悪いところを聞いて、改良につなげていった方がいい。突っ込んだ話から「あそこのメーカーに話をしてみたら?」と商談先を紹介してもらえるかもしれない。
そういえばSNSやネットサービスを通じて知り合った人たちと、オフ会をする機会もありますね、と話したら、Nさんに「気軽な交流もいいけどさ、参加者が多くなれば怪しい人も増えるからね」と釘を刺されてしまった。(池田園子)