臨床心理士・尾崎健一の視点
新しい商品や文化によって風習は変わる
職場でアルコールを飲むのが禁止されている理由は、注意力や判断力が低下し、工場などでは事故につながるおそれがあるからです。アルコールの耐性には個人差があるものの、弱い人もいる以上、全員に対して禁止する(あるいは飲むべきではない暗黙の了解になっている)のは納得できる理由です。しかし、ノンアルコールであれば、その理由も適用できません。
ノンアルコール・ビールが、車を運転する人のノドを潤す普通の飲み物となり、ゴルフ場ではランチにビール代わりに飲む――。そんな時代がすでに来ています。20年前、髪の毛を染めて会社に来たら、それをとがめる会社も多くありましたが、今ではだいぶ許容されています。ここは従業員のモチベーションを妨げない形で、「昼休みにリフレッシュできるなら、ノンアルコール・ビールもOK」と言ってみてもいいのではないでしょうか。
(本コラムについて)
臨床心理士の尾崎健一と、社会保険労務士の野崎大輔が、企業の人事部門の方々からよく受ける相談内容について、専門的見地を踏まえて回答を検討します。なお、毎回の相談事例は、特定の相談そのままの内容ではありませんので、ご了承ください。