近視眼的な視点しかもたない経営者では、日本企業は復活しない

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「アップルはスゴイ!」と感心している場合なのか?

   近視と遠視は両立しないので、顕微鏡的な視点を持つ人に「広角望遠鏡のようになれ」と言っても無理であろう。優れた技術を持つ中小企業は、今後もその卓越した技術で世界に飛躍しつづけてもらいたい。

   しかし、大企業までもが近視眼のままでいるようではダメだ。「質の高いものを作っているのだから、売れないのは客が悪い」などというような考えをもっていては、上手くいくはずがない。

   そのためには、経営者の改革が必要だ。社内政治がうまいとか、いつも周りに気配りを絶やさないとかというような人は、細かいことが得意なタイプなのだから、大企業のトップにはおそらく向かない。

   社内に大局観を持つ人材がいないのならば、外国人を含めて社外に活路を求めるしかない。

   日本は、細かいところへの配慮という点では世界一である。これに大きな視点が加われば、盤石になるに違いない。自分の苦手な部分は、外から補強すれば良いのだ。

   スティーブ・ジョブズの伝記を読んで「アップルはスゴイ!」などと感心していても、世の中は変わらない。アップルの強さの源泉を把握して、それを自分の問題点の解決に役立てる。そういう思考が必要ではないか。(小田切尚登)

小田切尚登
経済アナリスト。明治大学グローバル研究大学院兼任講師。バンク・オブ・アメリカ、BNPパリバ等の外資系金融機関で株式アナリスト、投資銀行部門などを歴任した。近著に『欧米沈没』(マイナビ新書)
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