会社のせいで婚期が遅れる! コールセンターの「変な決まり」

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   コールセンターで働くためには、守らなきゃいけないたくさんのルールがあります。

   「まぁ、これはしょうがないだろうなぁ」と思う決まりごとから、「もう少し柔軟になれないの!?」と思わず頭を抱えてしまう変なルールまで。きっと全国のコールセンターにも色々あると思うのですが、ここでは私の働く債権回収の現場で適用されている主なルールをご紹介します。

怒鳴られ続けても「こちらから電話を切ってはいけない」

フリスクやミンティアで飢えをしのぐ「コールセンター・ダイエット」(イラスト:N本)
フリスクやミンティアで飢えをしのぐ「コールセンター・ダイエット」(イラスト:N本)

   コールセンターのオペレーターは、自分から電話を切ることを禁止されています。お客さまから電話をいただいて、もしくはこちらから電話をかけておいて、先に切るのは失礼に当たる、という理由からです。

   もちろん会社が決めたルールですが、オペレーターの身としては大変苦労します。

「どこのどいつだ! 名を名乗れ!!」

   夜分に契約者さまの自宅にかけると、大抵ご家族が出ます。以前もコラムに書いたように、「家族に内緒にしてほしい」と希望があるお客さまに対して、オペレーターは会社名を名乗れず個人名で対応します。

   けれど、相手の電話機がナンバーディスプレイだった場合、個人でかけてるのにフリーダイヤルが表示される、という大変あやしい状況になります。

「フリーダイヤルでかけてるなんて、絶対あやしいだろ! なんだ!? セールスか? それとも取り立てか!?」

   このように不審に思ったご家族からきつく追及されるのですが、こんな時にも「こちらから電話を切ってはならない」というルールが発動します。オペレーターは相手が電話を切ってくれるまで、

「い、いえ、あやしいモノではありません」
「個人的におかけしてます。決して会社じゃありません!」

と、しどろもどろで言い訳を続けます。

   そりゃ、あやしすぎますよね! 私もお客さまに同感です。会社は未だかたくなに「こちらから切ってはいけない」と強要するのですが、このルール、ホントに必要なのかなぁ…?と思う昨今です。

債権回収OL・N本(えぬもと)
某金融機関で債権回収部門に所属する20代OL。コールセンターで支払延滞顧客への督促を担当している。入社半年で3億円の回収を達成して頭角を現し、10万件の顧客を担当する精鋭チームに最年少で配属された実績を持つ。他人に強く言えない気弱な性格を逆手にとり、独自の「交渉メソッド」を開発。300人のオペレーターを指導しながら、年間2000億円の債権回収に奮闘している。好きなものは、ビールとスイカ。ブログ「督促(トクソク)OLの回収4コマブログ」。(本コラムは当事者のプライバシー保護のため、一部事実と変えている点があります。)
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