グランプリはコカ・コーラとグーグルのタッグ
「モバイル部門」のグランプリは、コカ・コーラとグーグルが展開した「Hilltop Re-imagined」キャンペーンだ。40年前にコカ・コーラが制作した「世界中の人々にコカ・コーラをおごりたい」というCMを、モバイルの技術で具現化したものだ。
ユーザーは、ウェブサイトから世界各地に設置された専用の自動販売機を選択し、メッセージと自分のメールアドレスを入力する。その自動販売機の前を偶然通りかかった人は、そのプレゼントを無料で受け取ることができる。
さらに、受け取った人は、自動販売機に備え付けられたカメラで動画を撮影し、御礼のメッセージとともに送信することができる。
CMでは世界各国の民俗衣装に身を包んだ人たちが歌い踊っていたが、このキャンペーンで気になるのは「異なる言語をどう処理しているか」。ここにグーグルの「自動翻訳機能」が関わっており、お互いの言語に翻訳されてメッセージが送られるのである。
ザ・ヴィレッジとともに金賞に輝いたのは、ジョンソン&ジョンソンが展開した「BAND-AID MAGIC VISION」という企画だ。特製のiPhoneアプリを絆創膏にかざすと、ディズニーキャラクターのアニメーションが再生されるAR(拡張現実)アプリである。
おもしろいのは、iPhoneの加速度センサーや傾きセンサーと連動し、こどもがiPhoneを振ると、キャラクターの動きが連動するしかけになっていること。ちょっとした遊べるおもちゃになっており、自分がケガしたことを楽しく忘れさせてくれる。
携帯性やカメラの充実、センサーなど、スマートフォンならではの機能が、娯楽性の高いプロモーションに発展していきそうな気配だ。(岡 徳之)