プレッシャーのゆるい職場には、もう定年までいられない

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「自分ならどんな営業ができるか」考えてみる

   話を戻すと、Hさんは結局、半年後に退職してしまいました。プライドが邪魔をして、年下の同僚たちに「教えて欲しい」といえず、お客からのクレームが入っていると年下の部下から指摘されても、

「そんなこと言われても、何をすればいいのか見当もつきません」

と素直に受け取れません。社会人としての人生を真っ向から否定された気分になったのか、目にはうっすらと涙が溢れていたそうです。

   上司は営業同行をして指導することにしましたが、Hさんは人事に直接「管理部門でこそ自分は活路が出る。元に戻して欲しい」と訴えました。しかし、同じようなケースを多く見てきた人事の対応は冷静でした。

「Hさんがこれまで積み重ねてきた経験を、営業で活かせないのでしょうか? 会社はそれを期待しています」

   運よく配属されたゆるい職場に、いつまでいられるのか。そんなゆるい職場が、今後そのまま存在し続けられるのか…。その可能性が低いのであれば、周囲の人が助けてくれそうなうちに、「自分ならどういう営業ができるのか」と考え、自ら飛び込むくらいの覚悟をしておいた方がよいのではないでしょうか。(高城幸司)

高城幸司(たかぎ・こうじ)
1964年生まれ。リクルートに入社し、通信・ネット関連の営業で6年間トップセールス賞を受賞。その後、日本初の独立起業専門誌「アントレ」を創刊、編集長を務める。2005年に「マネジメント強化を支援する企業」セレブレインの代表取締役社長に就任。近著に『ダメ部下を再生させる上司の技術』(マガジンハウス)、『稼げる人、稼げない人』(PHP新書)。
「高城幸司の社長ブログ」
株式会社セレブレイン
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