待ち受けるのは降格、減給。退職勧奨も?
こんなに優遇されている「英語のできない人たち」だが、本人たちもいつまでもこれが続かないことは分かっているだろう。あくまでも全面移行までの経過措置だ。
TOEICのスコアが役職ごとの基準に満たない場合は、下のランクに降格になり、給料も減ることになる予定だ。「どうしても英語ができない社員には、辞めてもらうしかない」という幹部の発言を耳にした人もいる。
社外からは、「プレゼンやミーティングを英語でやっても、社員はちゃんと理解できるのか。コミュニケーションが中途半端では、業務の支障になる」という正論も指摘されている。
先行して英語必須となっている部署では、弊害が起こっていると嘆く社員もいる。
「もともと会議でよく鋭い意見を述べていた人が、会議が英語で行われるようになって以来、口をつぐむようになった。仕事はできるのに、英語が得意じゃないからといって萎縮させちゃう会社は嫌ですよね」
とはいえ、もし社員全員の英語スキルがより高まっていけば、そういう問題も起こらなくなる。「結局、それはできない理由ではなく、やらない言い訳に過ぎない」という反論に対抗できる意見はない。
楽天よりも先に英語公用語化を導入しようとしたコンサル会社では、途中で完全移行を断念し、日本人同士では日本語でよいという運用に変えたそうだ。ただ、三木谷社長がそのような折衷案を採用するとは、あまり思えない。