社会保険労務士・野崎大輔の視点
共有サーバーに格納されていないと十分とはいえない
会社は従業員に、就業規則を周知させる義務があります。「周知」の方法は、オフィスに掲示・備え付けしたり、コピーを社員に配布したり、共有サーバーにPDFデータを格納したりして、誰でも閲覧できる状態になっている必要があります。各デスクにパソコンがあるオフィスであれば、そこから閲覧できるようにして、それを誰もが知っている状態にしておくべきでしょう。今回の場合、違法状態とはいえないかもしれませんが、周知は不十分と言えるかもしれません。実務では目にしたことはありませんが、周知義務違反には30万円以下の罰金が科せられます。
なお、就業規則を周知していなかった場合でも、社会通念上問題のある行為であれば、注意指導はできます。しかし、懲戒処分を下すとなると話は別です。私用メールは常識で考えればよくないことですが、始末書を書かせるためには、やはり就業規則の周知が前提になると思います。懲戒免職された従業員が、就業規則が周知されていなかったとして勝訴したケースもあります。