「悪質すぎるブラック企業」の告発本から、何を読み取るか

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キレイごとしか書かれていない本より役に立つ

   筆者の恵比須氏は、本書で取り上げたらかといって「その業界全体がブラックであるとは言えない」と念を押している。しかし、長引く不況の中で生き延びるために、危ないブラック企業が増えているのは事実だ。

   魅力やメリットなどキレイごとしか書かれていないお仕事紹介本で、ありもしないホワイト企業を探すより、ブラック企業の紹介本を読んで「本当に危ない会社」を避けておく方が現実的かもしれない。

   もしもブラックっぽい会社に入ってしまったら、法務部員の高橋氏の本が役に立ちそうだ。彼の仕事は、モンスターたちが会社に与える損害を最小限にとどめ、会社が潰れないように法律を武器に戦うこと。

   ブラック企業を辞めない理由について、彼は「袖触れ合うも他生の縁」という言葉を使い、

「会社を守るために戦い、優良企業へ多少なりとも変えていくその一助になりたい」

と心境を説明している。ブラック会社の中には、こんな人も働いているのだ。

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