するめいかを使ったレシピを募集中
筆者が訪れた日には、盛岡冷麺が提供されていた。わんこそば、じゃじゃ麺と並んで「盛岡三大麺」と称される料理だそうだ。
ツルツルとしたこしの強い独特の麺が、喉をするすると通っていく。肉の旨みが詰まった、ピリ辛なスープも美味しい。選べる小鉢は、もずく、ホウレンソウと炒り卵の明太子和え。母の手作りのような味がして懐かしかった。
東北メニューについて20代の女性社員に聞いてみると、
「これまで知らなかった料理が食べられるから新鮮。月に1度の楽しみです」
という感想が聞かれた。実際、冷麺の窓口にはカレーや定食よりもずっと長い列ができていた。きっと毎回人気なのだろう。
楽天では現在、運営する「楽天レシピ」で岩手県釜石市の名物を使った「するめいかレシピコンテスト」を実施している。応募されたものの中から、釜石市の仮設住宅に住むお母さんたちが審査した優秀作を選び、さらにそのうちの1品を「楽天食堂」で提供するという。
ちょっとした工夫のようにも見えるが、数千人が毎日利用する大企業のカフェテリアが取り組めば、その規模や影響力は非常に大きなものになる。多くの人を巻き込んだ温かな取組みを、これからも続けて欲しい。(池田園子)