「就職氷河期」入社組が、早期退職のターゲットにされ始めた

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   不況が続く中、上場企業の人員削減策が進んでいる。大企業勤めだからといって、決して安泰とはいえないと言われて久しいが、「既得権益」と揶揄されてきた層にも、いよいよメスが入り始めたようだ。

   ターゲットは45歳以上の、いわゆる「バブル入社」以前の中高年が中心だが、中には1993年以降に入社した「就職氷河期」入社組が対象になっている場合もある。苦労して競争に勝ち、ようやく働き口を確保した人たちが、再び苦境に立たされている。

「35歳以上の正社員」を人員削減の対象とする会社も

いつになったら楽になれるのか
いつになったら楽になれるのか

   2012年の「主な上場企業希望・早期退職者募集状況」(東京商工リサーチ調べ)によると、6月7日までに適時開示資料などで確認できる募集状況は33社分。

   ホンダの軽自動車を受託生産してきた八千代工業では771人の早期退職の応募があり、太陽誘電、近鉄百貨店、アイフルでは募集人数を超える応募があった。

   老舗スーパーのナカヤマでは100人の募集に対し、147人の応募があった。募集対象者は、40歳から58歳の正社員。バブル期入社の最後の世代が42歳前後と考えると、それ以前から勤めている中高年がターゲットの中心になっていると言えるだろう。

   とはいえ、以前から45歳以降の退職者に割増退職金を支払ってきた会社もあり、今回の募集によってさらに割増率が高くなることで、これまでよりも退職の条件がよくなった、と歓迎している中高年もいるかもしれない。

   一方で、より若い層をターゲットとする会社もあり、問題は複雑だ。ベスト電器とアイフルの募集対象者は、ともに「35歳~59歳の正社員」。この条件だと、新規求人倍率が0.9まで下がった1998年の入社組(36歳)も人員削減の対象になってしまう。

   就職氷河期で苦労し、さらにリストラの対象となるのだから、災難としかいいようがない。さらに人員整理の後は、若手が補充されることなく、社員ひとり当たりの仕事量はさらに増える可能性もある。退職するのも大変だが、会社に残った場合の苦労も大きそうだ。

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